あえてカタカナで書いてみるのは私がはじめてなのではと思うくらい日本では見かけない名前。Alina Szapocznikow (1926-1973) はポーランドのアーティスト、彫刻家です。ニューヨーク近代美術館(MoMa)でこの秋から冬にかけて大規模な展覧会。2012年10月7日〜2013年1月28日まで。 MoMAの展覧会ページ:
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/1241 英語で、ポーランド語以外の言語でまとまった出版物が出たのもつい最近のこと。 ユダヤ人医師の家庭に生まれるもはやくに父親をなくし、十代のころにナチスの収容所を転々とし、看護婦として働きながらホロコーストを生き延びた。戦後はプラハとパリで彫刻を学び、1950年代から作品を発表しはじめる。ポリエステルなど当時の美術業界では革新的な素材を用い、自身の体やなにかどろどろとしたものをかたどった彫刻は、シュールレアリズムやポップアート、エヴァ・ヘスやルイーズ・ブルジョワなどに代表されるポスト・ミニマリズムとも比較することができます。 2010年にワルシャワの近代美術館ではじめて見て、私が特に衝撃を受けたのは Lampe-boucheなどポリエステルを使ったくちびるの彫刻。人工的に着色されたゼリーみたいな赤、ピンク、青。透きとおっているようで不透明。かたそうなやわらかそうな、顔というコンテクストから分離されてまったく別のもののように展示されてはいても、それはまさに人間のくちびる。いま、水彩絵の具であの感じが再現できないかと模索しています。人の体は喜びと痛みのみなもと。生命であり真実。 ポーランド文化会館のサイトに作家紹介が載っています: http://www.polishculture-nyc.org/index.cfm?itemcategory=30817&personDetailId=408
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Rumi Hara原 瑠美 Archives
March 2015
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