深い森でとつぜん視界がひらけたり植生が変わったり動物に出くわしたりすると思わず歓声を上げてしまう。屋久島ではこのすべてが起こる。顔いっぱいに笑顔がひろがるのをとめられない。慣れない山道でどんなに疲れていても、景色の変化に体はかならず反応する。 ![]() 島に着いた次の日は地元の人がふしぎがるくらいのいい天気で、白谷雲水峡は苔が乾いていまいちだと通らしき人がぼやいていた。私はまだ島の雨を知らなかったので乾いた苔もすばらしいと思った。それから上を見上げるといろいろな種類の木がからまりあってのびている。これもまたすばらしい。 ![]() おごそかな切り株。 ![]() 3日目は宿で出会ったまいちゃんがレンタカーに乗せてくれて、ふたりで島を一周する。雨。大粒でなんだかやわらかい。 これはジャックと豆の木のモデルになった豆の木。中間集落のフルーツガーデンにて。本当に豆がなるのだろうか。食べたい。 ![]() 4日目の蛇の口滝ハイキングコースはこんな道をこえていく。やはり雨。 森は海のように深い。ウミガメになった気持ちで晴れ間を見上げる。 ![]() 金環日食を隠した雨がもたらしたたっぷりの水量。滝に着いたらゆっくりお弁当を食べようと思っていたのに、ものすごい音で落ち着かない。でもすばらしい。 帰り道、疲れた足があやうく急斜面を踏み外しそうになったり濡れた岩にすべってしりもちをついたり。ここで生きることはなんて難しい。もう帰れないふるさとのような森。 コヨーテマンがくれた詩集『西脇順三郎詩集』にこんな一節があった。
再び神々の世界にはもどれない 人間は人間としてあるくほかない
2 Comments
Keijiro Suga
5/26/2012 04:46:48 am
These pictures are awesome! I really got to go there a.s.a.p. (before the typhoon season comes around.) Thank you for showing us the way!
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Rumi Hara
5/26/2012 07:51:17 pm
Thanks! I think I want to go back there again to stay for a month or two...
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Rumi Hara原 瑠美 Archives
March 2015
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